どんな人に向いている治療法か

インプラント治療に興味のある方なら、オールオン4という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。4本のインプラントをバランスよく骨に埋入する手術で、その日のうちに噛むことができたり、見た目も自然な状態にすることができたりと様々なメリットがあります。

そんなオールオン4は、実はある条件をクリアした方しか受けることができない治療法です。ここでは、オールオン4に不向きな人とおすすめの人についてご紹介します。

オールオン4の適用条件とは?

オールオン4とは、通常は真っすぐ埋入されるインプラントを斜めに埋入することで、最低限(4本)のインプラントで全体の人工歯を支えられるように工夫された治療法です。一般的に残っている歯が少ない方のインプラント治療は大がかりなものになりがちでしたが、オールオン4の開発により手術の負担が大きく軽減されました。

オールオン4は「インプラント適用可能」「上下どちらかの歯がすべてない」が条件

オールオン4の施術をするにはいくつか条件があります。まず、歯科に相談した際に一般的なインプラント治療が不向き、と診断された方は難しい恐れがあるため、クリニックに問い合わせてみてください。

また、オールオン4は「上下の顎、どちらかの歯がすべてないこと」も条件となります。これに関しては次項で詳しく見ていきましょう。

こんな人はオールオン4に不向き!

条件については前述した通りですが、他にもオールオン4が向いていない方の特徴が存在します。では、一体どのような方が不向きと言えるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

天然歯が規定以上に残っている方

前の項でご説明した通り、オールオン4は「上下の顎、いずれかの天然歯がすべて失われていること」が適用条件となります。これはオールオン4が最大12本の人工歯を連結して装着するものだからで、天然歯が残っていると逆にバランスを妨げてしまうのです。

そのため、天然歯をできる限り残しておきたい場合は適用不可となるでしょう。1~2本残っている程度であれば、中には「オールオン4の快適さを得るために抜いてしまう」という選択をする患者さんもいるようです。とはいえせっかく残っている歯を抜歯するのは抵抗がある方もいるでしょうから、医師とよく相談し、納得のいく治療を受けることが大切です。

ヘビースモーカーで、禁煙が難しい方

一般的に、インプラント治療を行う際には禁煙が不可欠だと言われています。これはなぜかといえば、タバコを吸うと血管が細まり、血液の流れが悪くなるとされているからです。インプラントは顎の骨と結合する手術なので、喫煙していると悪影響の恐れがあります。

また、血流が悪化すると術後の傷口の治りも遅くなります。喫煙者の方は唾液量が少ない傾向があり、歯周病を引き起こしやすい特徴もあるため、インプラントを埋入しても脱落させてしまうリスクが生まれてしまいます。どうしても禁煙したくない!という方は、別の治療法を検討した方が良いかもしれません。

顎の骨が弱りすぎている方

インプラントは顎の骨に埋入する方法なので、骨が痩せすぎていると施術ができません。オールオン4は通常のインプラントに比べると負担が少ないものの、4本のインプラントを埋入させるのが難しいほど骨が衰えているケースだと、適用できないと言われています。

ただし、以前「骨の移植手術をしないと通常のインプラント手術が難しい」と言われた方でも、オールオン4であれば適用できる可能性も。どの程度骨が弱っているのか、まずは歯科で相談してみてはいかがでしょうか。

ホームケアや定期健診に通うのが難しい方

オールオン4も、一般的なインプラントや総入れ歯同様ホームケアや定期健診が必要です。ご自宅でも美しい人工歯を保つために歯磨きを徹底したり、適切な体調管理を行い、食生活を見直したりといった努力をしなければなりません。忙しくてなかなかクリニックに行けない、セルフメンテナンスも自信がないという場合は、一度医師に相談してみてください。

また、この他に糖尿病をはじめとする全身疾患の持病や心臓疾患、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、不整脈といった症状がある方は適用が難しいこともあるようです。

逆にオールオン4に向いているのは?

このように、インプラントより制約が少ないとされるオールオン4でも不向きな方は存在します。

では逆に向いているのはどういう人かと言えば、基本的に「健康なかみ合わせを取り戻したいと思っているけれど、通常のインプラントは難しいと言われた方」が当てはまるでしょう。前述の通り骨が痩せている方、天然歯が残っている方でも対応可能なケースもあので、親身に相談に乗ってくれて、症状に合わせて適切な治療を提案してくれるクリニックを探しましょう。