インプラントの安全性
インプラントの安全性について紹介します。
インプラントはどのくらい安全なのか?
気になるインプラント手術の安全性や、長期的に見た際の成功率について解説します。
インプラント手術の安全性は高いがリスクも理解しておこう
インプラント手術自体は、局所麻酔や静脈内鎮静法(点滴麻酔)などを使用することがほとんどであり、痛みを感じることなく手術を受けることが可能です。また、入院する必要もないため、翌日からは通常の日常生活を送ることができます。
術後に痛みや腫れがあらわれることがありますが、個人差はあるものの、痛みに関しては抜歯を行なった際と同程度の痛みと言われているくらいで、それほど強いものではなく数日で落ち着くケースが一般的です。
しかし、リスクがないとは言い切れません。インプラント治療は「外科手術」です。事前の検査不足や担当医師の技術不足、患者の健康状態などが起因して、神経や粘膜の損傷や出血、麻痺を引き起こすなど、なんらかのリスクを伴います。
長期的に見たインプラント手術の成功率・安全性は?
上記に挙げたリスクは、手術後の初期段階で生じることがほとんどです。では、長期的に見た場合の成功率や安全性についてはどうなのでしょうか。
まず、インプラントの材料となっているチタンですが、チタンは安全な素材であると言われており、人工関節や頭蓋骨の代用として整形外科や脳神経外科でも使用されています。
身体にも馴染みやすく、長期的に見ても腐食することはありませんし、発がん性もないとされています。また、金属ではありますが、アレルギー反応を起こす可能性も低いと言われているので安心できますね。
また、インプラント手術の成功率はおおよそ95%前後といわれており、かなり高い数値であることがわかります。
ただし、手術をする部位によって成功率が変わってくることがあります。例えば、手術部位が上顎の場合、下顎の成功率をわずかに下回るというデータがあります。上顎には「下顎よりも骨密度が少なく軟らかい」という性質があります。そのため、インプラントの埋め入れがしにくかったり、結合に時間を要したりと、下顎よりも手術が難しいケースがあるのです。
また、インプラント手術直後のデータであれば高い成功率が出ますが、術後年数が経過するに伴い数値は低くなっていきます。中でも、以下のようなケースには注意が必要です。
- 欠損している歯に対してインプラントが少ない場合
- 左右どちらか一方のインプラントに過剰な力が入っている場合
- 噛み合わせが悪い場合
こういった場合は、長期的に見るとインプラントの寿命を低下させてしまう可能性があります。
さらに、成功率の算出方法や、術後の経過年数によっても大きく変わってきます。成功率を出すためにデータの対象とする患者の基準は、歯科医院によっては不明瞭なこともあるのが現状です。
基本的には高い成功率を誇るインプラント手術ですが、手術する部位や術後年数、歯科医院によって成功率が変動することが一般的です。絶対的なものではなく、おおよその目安として捉えるようにしましょう。