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インプラント手術の種類~ザイゴマインプラントによる治療方法~

インプラントの手術方法のひとつであるザイゴマインプラントについて調べて見ました。他の手術との種類の違いや、メリットなどについても紹介していきます。

インプラントの種類別手術方法【ザイゴマインプラントの場合】

ザイゴマインプラントとは?

ザイゴマインプラントは頬骨(ほっぺたの骨)にインプラントを埋入する、上顎専用のインプラント治療です。頬骨(Zygomatic bone)にインプラントを埋めるため、ザイゴマインプラントと呼ばれています。

上顎の骨が極端に薄い人でも、インプラント治療ができる画期的なインプラントシステムです。オールオン4が適用できないほど、顎骨が萎縮しているケースに対して適用されます。

頬骨にインプラントをしっかりと固定するため、入れ歯のようにズレたり外れたりせず、天然の歯のように快適で安定したかみ合わせを再現できます。手術は1回のみ。手術をしたその日に人工歯を装着できるので、手術した日から食事をすることができます。

ザイゴマインプラントの施術方法

通常のインプラントより長い30〜52.5ミリのインプラントを頬骨に2本~4本埋め込めこみ、人工歯を装着。硬い頬骨にインプラントをしっかり固定し人工歯を装着することで、しっかりとしたかみ合わせを再現します。

ザイゴマインプラントを正確な位置や角度でインプラントを埋め込むため、高性能なシステムを使い顎の骨のCTを撮影。コンピューター上で、診断や分析、シミュレーションをおこないます。

例えば、上顎の前歯部分に骨が残っているケースでは、左右から頬骨に向けてザイゴマインプラントを埋入。上顎の全てに十分な骨が残っていない場合は、左右2本ずつを頬骨に向けて埋入するなどして、患者1人ひとりに合わせた、位置や角度にインプラントを埋め込みます。

通常のインプラントとの違い

通常のインプラントのように1本だけの埋入はできません。複数歯欠損にのみ対応できるインプラントです。従来のインプラントとはコンセプトが全くことなり、1本のインプラントで複数の歯の欠損を補う目的をもっています。4~6本のインプラントで12~14本の人工歯に差し替え可能。インプラントの本数や治療期間の負担を抑えられます。

治療期間も通常のインプラントより短いです。通常のインプラントは骨に結合され固定されるまで3~6か月の期間が必要です。そのためインプラントを使用するまでの期間は、患者さんの骨の柔らかさや硬さ、欠損歯の周囲の状態により左右されます。1か所あたりの期間になるため、数か所の埋入施術となると2年以上になるケースも。一方でザイゴマインプラントは、即時荷重と呼ばれる治療法で使用期間は、1日。インプラントを埋めた当日に固定式のかぶせ物を装着できます。治療期間は3か月程度です。

ザイゴマインプラントのメリット

ザイゴマインプラントの大きなメリットは3つあります。

上顎の骨が少なくてもOK

ザイゴマインプラントは顎の骨が少なくて断られてた人でも、インプラントを埋入が可能。顎骨が足りないと通常のインプラント手術を断られてしまった方も諦めずにインプラント治療ができます。

骨移植の手術が不要

インプラント治療をする際に、極端に上顎の骨が少なく骨移植をするケースがあります。治療期間の長期化や手術による、身体的な負担が懸念されますが、ザイゴマインプラントは骨移植の必要がなく、身体的負担軽減や治療期間の短縮ができます。

手術した当日に固定性仮歯を装着できる

長いインプラントが頬骨にしかりと固定された場合、手術当日に固定性仮歯を装着できます。手術をした当日から、見て目の回復や噛む機能を回復できるメリットがあります。

ザイゴマインプラントのデメリット

対応できる歯科医院が少ない

ザイゴマインプラントは頬骨にインプラントを埋め込む手術が必要な特殊な治療です。そのため、高度な技術や知識、設備が必要で治療の難易度が高く、対応できる歯科医院が限られています。

治療費が高額になる

高度な技術が必要な特殊なインプラントのため、治療費は通常のインプラントより高額になります。

長時間の手術が必要

通常の上顎の骨に埋入するインプラント手術より、頬骨に埋入する手術のため手術時間が長くなります。症例によって手術時間は異なりますが、目安は2時間程度です。

【まとめ】どういった人に向いている施術?

上あごの骨がほとんどなく「インプラント治療が難しいと言われている方」におすすめのインプラント治療です。上顎の骨が痩せているため、オールオン4ができない方や病気が原因で上顎の骨を切除してしまった方、先天的に顎の骨に問題があり欠損している方など、通常のインプラントが出来ない方でもザイゴマインプラントなら施術可能です。

インプラント治療において「骨を増やす手術を避けたい方」にもおすすめ。骨移植にかかる余計な手術が不要なため、身体への負担や治療期間を短縮できます。

施術の流れ

手術前

問診や口腔内審査等の臨床審査やエックス選審査を終え、カウンセリングを元に治療計画や料金の見積もりをだしてもらい、手術内容の決定をします。

手術当日

患者に合わせた麻酔や抜歯をして、頬骨にインプラントを埋入します。アパッチメントを装着し、口腔内の型取りやかみ合わせをと取り、手術終了。その日のうちに固定制の仮歯を装着して帰宅できます。

手術後

その後、抜歯やチェック、インプラントの型取りを経て本歯の型取りや、装着をしていきます。